海外視察報告書デジタルカタログ
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TOPICS4 十分・九份 19 【十分】 【九份】 5kmほど飛ぶこともあるとか。因みにその後の天燈はどうなるのか?環境問題に関心のある参加者からも6:00までの間に天燈を飛ばすことは禁止されている。また最近では空中で燃え尽きる環境に配慮した天十分は台湾北東部新北市に位置し風景特区に指定されている風光明媚な場所。その昔は繁栄を極めた炭鉱の街である。そこで天燈上げ体験をした。天燈とは手作りの小さな熱気球のようなもので、赤い天燈にメッセージを書き込み、願いを込めて空に飛ばすのである。この地では、昔、盗賊が現れた際に村人たちが山に隠れ、盗賊が去るのを待ち、天燈を使って連絡しあったといわれる。 現在は「幸福祈願」の象徴 へと変化し、その風習が受け継がれているのだ。 天燈上げを行う場所はなんと台湾鉄道ローカル路線である平渓線の線路の上。参加者は会社や家族に対するメッセージや自分の信条など、思い思いにメッセージを書き込み、鉄道が来ないことを確認しながら天燈を上げるのである。天燈が視界から消えるまでずっと見上げていた姿がとても印象的であった。 空高く上がった天燈は約7〜8分間、風速にもよるが平均して2kmは飛んでいくそうで風が強いと質問の声があったが、天燈が飛ぶ方角に天燈を回収する人がちゃんといるとのこと。これを生業にしているのだとか。落ちてきた天燈の影響で火災や電線が断線、交通事故といった問題も発生することもあるそうで新北市では制限地区以外でランタンを飛ばした場合、3,000元の罰金が課せられるほか、22:00〜燈作りも行われているようである。 台北から車で約1時間。台湾北部の港町、基隆市近郊の新北市にある山間の町。かつて台湾の一寒村に過ぎなかった九份は、金の採掘によって日本統治時代に最盛期を迎えるも1971年に金鉱が閉山、町は急速に衰退したが石段や狭い路地などのレトロな雰囲気を醸し出している。夜には赤い提灯が灯りノスタルジックな雰囲気と街の夜景を楽しむことが出来る世界中の観光客から注目されているスポット。1989年の台湾映画「悲情城市」のロケ地、また『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとも言われる。

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